この記事では、RB25のエンジンオイルに注目してオススメのエンジンオイルを紹介したいと思います。
エンジンオイルは何を入れてますか?
よく話題になるキーワードですね。純正でもいいんだろうけど、走行距離も10万キロを超えてきたし、今使っているもので大丈夫なのかな?と思い悩む時はありませんか。
私もかなり迷いました。サーキットは走らないけど、たくさん走りたいのでランニングコストが安くて、高品質なオイルをずっと探してました。
ガソリンの次にランニングコストが嵩むエンジンオイル。34万キロ走行した経験を元に、リーズナブルで高性能な、オススメのエンジンオイルを紹介したいと思います。
それでは、スタート!
エンジンオイルの役割
エンジンオイルは、「人間でいうと血液だ」ってよく聞きます。そもそもエンジンオイルには、どんな役割があるのかおさらいしたいと思います。
エンジンオイルの役割は、5点あります。
- 潤滑
- 冷却
- 気密保持
- 洗浄分散
- 防錆防食
それでは、1つずつ解説致します。
潤滑
ガソリンエンジンの内部は回転する部品が多数存在しています。例えば、ピストン部ではピストンリングとシリンダーブロック。クランク部では、コンロッドメタル、クランクメタルなどですね。
固着トラブルを防止するために、エンジンオイルを使用して金属同士を潤滑させてあげる事がエンジンオイルの役割です。
冷却
ガソリンエンジンの燃焼室では、ガソリンを燃やして発生したエネルギーを回転運動に変えています。ガソリンが燃えた時に発生する熱及び、回転摺動部が発生する摩擦熱をエンジンオイルで奪い冷却させてあげるのがエンジンオイルの冷却の役割です。
特に、RB25DETのようなターボ付きのエンジンの場合は、エンジン本体だけではなくターボ内のタービンシャフトの冷却に、エンジンオイルを使用しています。
よく「アフターアイドル」というキーワードを聞きます。これは、ターボ内のタービンシャフトの冷却を行いシャフトの焼きつき防止をするために、ターボタイマーを使って一定時間オイルを循環させてからエンジンを切るという行為です。
RB25DETを、長持ちさせるにはオススメの行為です。
私の場合は、ターボタイマーで30秒アフターアイドルさせてエンジンを切っていました。どんなに急いでいてもアフターアイドルだけは欠かしていませんでした。
私の場合は、前期タービンでしたが34万キロ1度もターボ交換せずに、持たせることが出来ました。
気密保持
ピストンリングとシリンダーブロックの隙間に、エンジンオイルが入り込んで潤滑と気密を保持しています。
気密が不十分であれば、シリンダーに取り込まれた気体が燃焼室から漏れ、正常な燃焼ができなくなります。
また、点火した後に膨張した燃焼ガスも同様に漏れてしまい本来の出力が出なくなります。
シリンダーとピストンリングの隙間は、使用する度に徐々に広がっていきます。経年車でエンジンオイルの管理が悪いと隙間が著しく広がってしまう懸念があります。
洗浄分散
ガソリンを燃やす過程で、主に酸化によるスラッジと呼ばれる「汚れ」が発生します。スラッジは、配管類や燃焼室の残り故障の原因を作りますので、出来るだけ排除しなければなりません。
エンジンの故障を防ぐために、エンジンオイルを循環させ汚れを流動させて、オイルフィルターやストレーナーを介してスラッジをろ過します。
RB25のエンジンオイルを自分で交換してるよ!って方はたくさんいると思いますが、抜き取ったオイルは距離が短くても黒いですよね。
黒いのは、エンジンオイルの役割で重要な洗浄が働いているからです。
ガソリンが燃焼で発生した炭化物(すす)を取り込んだ為にエンジンオイルが黒くなるのです。
色の黒さとエンジンオイルの劣化は、必ずしも等しいとは限りません。
防錆防食
ガソリンの燃焼によって水分が生じます。冬場にマフラーから白い煙が出る要因は、ガソリンの燃焼によって水分が発生、揮発した結果によるのも要因です。
金属の腐食の要因でもある水分は、できるだけ排除しなければなりません。サビや腐食は、RB25の寿命を短くする一因でもあります。
貴重なRB25だから、週末に少ない走行距離を頻繁に繰り返す使い方や、短い通勤距離の場合は、エンジンオイルの温度が適温まで上昇出来ません。
ガソリンの燃焼によって発生した水分が、蒸発せずにエンジンオイルに水分が溜まってしまいエンジンオイルが乳化してしまう可能性が高まります。
エンジンオイルの役割のまとめ
5つの役割を確認してきました。エンジンオイルを選択する上でどれも必要な役割ですが、RB25のエンジンオイルを選択する場合には、気密性と防錆防食に着目する必要があります。
理由は2つあります。
気密性は、エンジンの使用距離が伸びれば伸びるほどに重要度が上がる為です。理由は、R34の中古を取り扱うカーセンサーなどの中古車情報サイトでは、10万キロを超える個体も珍しくない。
走行距離が伸びている分、緩やかですがシリンダーやピストンリングの摩耗が進んでいる個体が多いと考えられるからです。
防食防錆では、エンジンオイルが温まりきらない短い距離を走行を繰り返す使い方をする場合は、エンジン内部のサビやエンジンオイルの乳化を誘発する可能性が高いからです。
貴重なR34だから貴重なRB25だから、あまり走らないと言う使い方をされる方も多いのではないかと思います。
私の場合は、R34は平日1日100キロ以上で週に500キロ以上、1ヶ月2000キロ以上を距離にして19万キロ近く走っていました。
走行距離がかさんでいるので、気密性の観点ではかなり過酷な状況です。
防食防錆の観点では、1回の走行距離は短い距離ではないので防食防錆面では有利な方向になっていたと思います。
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RB25のエンジンオイルの選び方
RB25のエンジンオイルは化学合成油を選ぶ
RB25のエンジンオイルで、高品質なものは何を見て判断すればいいかというと、エンジンオイルの基油(ベースオイル)が何で出来ているかで判断できます。
基油は、鉱物油、部分合成油、化学合成油の3種類に分けられます。
1つずつ解説して行きます。
鉱物油とは?
鉱物油とは、石油を生成する過程で得られるものです。
分子量などを厳密に揃えることができませんが、比較的安価に製造ができるために多用されています。
多くの鉱物油は、粘度指数が高い為、広い温度の範囲で粘度変化が小さいです。
部分合成油とは?
部分合成油とは、鉱物油や高度水素分解油にPAOやエステルもしくは水素化分解油を混合し、品質を高めたものです。
その配合率や基油では、日本および海外においても明確な規定がありません。
何をベースに何を添加しているのか表示義務もありません。
化学合成油とは?
鉱物油に比べると低温流動性、せん断安定性などに優れています。
製造コストは、鉱物油に比べて高いものの合成油としては比較的低コストで大量生産が可能な点、鉱物油からの置き換えも行いやすので、エンジンオイルに最も多用されています。
RB25のエンジンオイルを性能と価格でどう選ぶか?
3種類の基油と日産純正のエンジンオイルをまとめると、以下のようになります。
日産純正オイルを選ぶ理由としては、2つあります
- メーカーが想定している範疇ならば純正品の安心感は高い
- 購入ルートの制限がない(日産ディーラー、ネットサイトのどちらも購入できる)
私の場合は、自分でエンジンオイルは常に交換してきましたが、どうしても交換時間がない時があります。そんな時に、オイルも購入する必要もなく店舗に車を持ち込むだけで、交換できるので時間を有効活用出来ます。
日産純正エンジンオイルを鉱物油、部分合成油、化学合成油でコスト込みで比較すると、以下のようになります。
- 鉱物油:約2800円 ストロングセーブX 5W-30
- 部分合成油:約4000円 ストロングセーブX Eスペシャル 5W-30
- 化学合成油:約4300円 エンデュランス 10W-50
確かに鉱物油は一番安いですね。部分合成油と化学合成油との価格差300円です。5000キロで交換すると考えた場合は、走行距離1キロあたり0.06円です。
私の選び方としては、表示義務のない部分合成油は早々に除外して、鉱物油と化学合成油を比較しました。最終的には、化学合成油は鉱物油より性能が向上されているので、化学合成油を選んでいきました。
粘度を選ぶ
日産から発行されているR34の整備要領書を確認すると、意外なことに粘度は記載されていません。グレードのみ記載されています。
RB25DETの場合は「SF、SG、SH、SJ級」と記載があります。
SF、SG、SH、SJとは?
SF、SG、SH、SJの順番で性能が高くなります。
1つずつ解説して行きます。
- SF:1980年以降の車に適応。酸化、高温デポジット(堆積物)、低温デポジット、サビ、腐食に対する優れた防止性能を発揮
- SG:1989年以降の車に適応。SFの性能に加え、動弁系の耐摩耗性と酸化安定性が要求され、エンジン本体の長寿命化を果たす性能があります。
- SH:1993年以降の車に適応。SGの性能に加え、スラッジ防止性、高温洗浄性に優れます。
- SJ:1996年以降の車に適応。SHの性能を向上品。さらに蒸発性、せん断安定性に優れます。
参考までに2019年現在では、SJの上にSL、SM、SNの3つのグレードがあり最高位はSNとなっています。
SN:2010年に制定。SMに比べて省燃費性能の持続性のさらなる向上や触媒保護性能を強化しています。
制定年が近年に近づくほどに、性能向上が図られているのがわかりますね。
RB25にオススメのエンジンオイルはこれだ!
日産純正のエンデュランスオイル!
グレードが整備要領書に記載されていないので困りました。しかも、SJグレードは日産純正オイルだと鉱物油なんですね。粘度は10Wー30になります。
化学合成油で日産純正を選択すると、SMグレードで10W-50 エンデュランスオイル、SNグレードで5W-30 が該当します。
エンデュランスオイルは、ル・マン24時間を戦い抜いたGTR-LMに使用されたベースオイルを使用した化学合成オイルとなっています。また、第二世代GT-Rの純正指定オイルとなっています。
私の場合はかなり悩みましたが、結論は「エンデュランスオイル」を選択しました。
エンデュランスオイルを選択した理由は、2つあります。
- RB25DETとGT-Rが搭載するRB26DETTは、同じターボエンジンだった事。
- メーカーが考えるGTーRの使用想定と、自身の実使用の範囲を想定比較した時に、自身の実使用の方が負荷は少ないと考えました。
また、結果的に23万キロまで使い続けて燃費が悪くなったり、油圧、油温が不安定になったり等の不都合が何もなかった事実もあります。
日産純正エンデュランスオイルのお得な買い方!
RB25のエンジンオイルは日産純正エンデュランスオイルと決まりましたが、日産ディラーでも購入できますし交換もやっていただけます。
ですが、せっかくの愛車ですので出来る方はご自身で交換するのもありと思います。私もエンジンオイルはいつも自身で行ってきました。
エンデュランスオイルは、4Lと20Lの2種類の設定があります。20Lの方が数量がまとまっているだけあって安く購入できます。
参考までに20Lで18000円程度。1Lで900円、4Lで3600円になります。4L単体だと4300円で700円お得です。
コストメリットもありますので、保管が出来るのであれば20Lをお勧め致します。私は常に20Lを購入していました。
日産純正エンデュランスオイルの交換サイクル!
整備要領書では、1万キロもしくは1年と記載がありましたが、私の場合は半分の5000キロで交換していました。オイルフィルターは1万キロで交換しています。
メーカーが想定しているエンジンオイルのグレードより、高いグレードを使用していましたが、交換サイクルは1万キロの半分で交換しています。私の場合は保険をかけておきたかったのが最大の理由です。
エンジンオイルの状態が良質な期間を増やして、エンジントラブルのリスクを減らしたいと言う思いがありました。
まとめ
エンジンオイルの役割は5つあります。
潤滑、冷却、気密保持、洗浄分散、防錆防食の5つです。RB25の場合は、気密保持と洗浄分散に着目してエンジンオイルを選択する。
RB25のエンジンオイルで重要なポイントは、化学合成油を選ぶ事。永く乗るのであれば必ず化学合成油を選ぶ。私は、走行距離23万キロ持ちました。
RB25のエンジンオイルのオススメは、SMグレード10W-50エンデュランスオイル1択。
エンデュランスオイルは4Lと20Lの2種類のサイズで販売されています。保管できるのであれば20Lの方が1L単位の単価が下がります。
購入ルートは日産ディーラー、各種ネットサイトで購入できるので自身にあった購入ルートで購入します。
RB25のエンジンオイルは、できれば自分で交換する。自分で交換できなくても全国の日産ディーラーで交換できる。
RB25のエンジンオイルは、本当に多種多様で何を基準に選択すればいいのか本当に悩みますね。でも、悩んでいる時がまた楽しいんですよね。