R34GT-Rのカーボンボンネットは、やっぱりカーボンの模様がみえるクリア塗装で仕上げたいですよね。クリア塗装した後の日頃のお手入れってに悩まれていませんか?
私も悩みました。出来る限り永く、綺麗なクリア塗装を維持したいと・・・
今回の記事では、そんなR34GT-Rのカーボンボンネットの美肌法を、製造元のニスモに聞いて、実践してみましたのでレポートします。
それでは、スタート!
ドライカーボンとウェットカーボンの違い
まずは、カーボンボンネットと言っても、2種類のカーボンボンネットがありますので、違いを解説します。
R34GT-R用のカーボンボンネットには、ドライカーボンとウェットカーボンと2種類があります。
ドライカーボンとウェットカーボンは、工法が異なります。
ウェットカーボンは、FRPと同じくハンドレイアップで作成されます。FRPの時は、ガラス繊維を使用していましたが、代わりに炭素繊維を使用することでCFRP=ウェットカーボンとなります。
一方、ドライカーボンは炭素繊維と母材(主にエポキシ樹脂)を、あらかじめ馴染ませてある部材(通称:プリプレグ)を、型に手で貼り込んでいきます。
その後、型に貼り込んだ製品を真空バックに入れて、オートクレーブと呼ばれる設備の中で、加熱、母材(エポキシ樹脂)を吸い出しながら圧着し硬化させます。
ウェットカーボンとドライカーボンは、素材が分かれているか一緒になっているかに加えて、硬化の方法も異なりますね。
また、ドライカーボンの方がウェットカーボンより軽いのは、硬化中に母材(エポキシ樹脂)を吸い出す為にドライカーボンの方が軽くなります。
製品単価も、ドライカーボンボンネットなどはウェットカーボンに比べて、桁が違うほど高価になりがちなのは、オートクレーブなどの大型設備が必要な点と、やはり手作業の工程が多い事が要因になります。
ニスモ製R34GT-R ドライカーボンボンネットとは?
ニスモ製のR34GT-Rドライカーボンボンネットは、製品名では、「Rチューンカーボンフード」と呼ばれています。
レースカー開発のノウハウを盛り込み、風洞設備での空力セッティングを施した、本格的エアロパーツ。空力効果、冷却エアの整流効果の向上と軽量化を果たしました。
- 対純正アルミフード約-3kg。
- 対純正カーボンフード約-1kg。
価格498,000(税抜き)(2019年2月時点)。
ニスモ製R34GT-R用ドライカーボンボンネットを、梱包箱から製品を出すと以下の写真の用に梱包されていました。
価格もすごいですが、メーカー直系のモータースポーツ会社が作ったエアロは、やっぱり風洞で空力をきちんと見て作られてますね。やはりメーカーが出来ることは違いますね。
使ってどう?ニスモ製R34GT-R用カーボンボンネット
私が、ニスモ製R34GT-Rのカーボンボンネットを、10年使って感じたポイントを紹介します。ポイントは全部で3点です。
- 本物のニスモ製。
- 雨の侵入は最小限。
- ボンピンが不要。
1つずつ解説します。
本物のニスモ製R34GT-R用カーボンボンネット
正直申し上げて、模倣品がたくさん出回っております。ヤフオクなどでも、ニスモ製と書いてあっても、ニスモ製ではない製品が稀に見受けられます。
ニスモ製のR34GT-R用ドライカーボンボンネットかどうかの見分け方は、フードロックの奥側にニスモのロゴが、プリプレグの中に含浸されているかどうかです。
もし、ヤフオクなどで怪しいな?と思いましたら、ニスモのロゴが入っているか確認をオススメします。
私も本物?って聞かれることが多々ありましたが、ニスモのロゴを使って説明させて頂いてました。
日常の使い勝手も考慮されたニスモのR34GT-R用カーボンボンネット
R34GT-Rを、普段使いの車として使われる方も多数いるといます。ニスモとしても、コンペティションパーツといえど、日常使いも出来るカーボンボンネットとして、仕上げられています。
やはり、R34GT-Rのカーボンボンネットの醍醐味と言えば、カーボンの綺麗な見た目と放熱穴による冷却促進などの冷却効果の向上ではないでしょうか。
ですが、冷却優先だと冷却の穴が大きくなりがちです。穴を大きくするデメリットして、エンジンルーム内へ雨の侵入を許してしまいます。
雨が侵入すると、エンジンルーム内のクランク角センサーやイグニッションコイルなどの電子部品への影響は避けられません。また、長い目で見ると出来るだけ避けたいところです。
ニスモ製のカーボンボンネットでは、日常での雨の侵入を最小限にするべく「レインバイザー」が設定してあります。
洗車の時に気が付きましたが、レインバイザーのおかげで、エンジンルーム内にあまり水は入ってきません。
また、冷却ダクトには雨抜けようの穴が空いており、エンジンルーム内のエンジンなどを避けて、雨が地面に落ちるようになっています。
ニスモ製R34GT-R用ドライカーボンボンネットはボンピンが不要
ボンピン(通称:ボンネットピン)は、レーシングカーのボンネット、トランクなどを簡単に取り外す事が出来るピンです。
ボンピンを使う事で、ボンネットキャッチ、ボンネットヒンジなどの部品を取り外す事が可能になり、軽量化が可能になります。レーシングカーに取って、軽量化は必須の項目なので、ボンピンを用いて軽量化と部品脱着の簡易化による整備性向上を図っています。
ただ、一般車では整備性が向上するが故に、「簡単にボンネットが空いてしまう」、という弱点が出ます。その結果、バッテリー端子を触られて、盗難されてしまう可能性が上がってしまいます。
一方、ニスモ製のR34GT-R用ドライカーボンボンネットは、カタログ表記で「ボンネットピン不要タイプ」となっています。
R34GT-R純正のボンネットロックが、そのまま使えるという事は、ニスモとしても純正の使い勝手を変えない。また、車室内のロックを操作しない限り、フードが開かないと言う純正の良さを生かしていると思われます。
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R34GT-Rのカーボンボンネットの美肌法をニスモに聞いてみた
私自身、初めてニスモ製R34GT-R用ドライカーボンボンネットを、クリア塗装をする事になったので、製造元のニスモへクリア塗装後のメンテナンスについて、問い合わせしてみました。
ドライカーボンボンネットへのクリア塗装とR34への装着は、日産ディーラーにて実施して頂きました。塗装に関しては、クリアで説明書通りの施工で依頼しました。
手順が記載されていますので、記載通りに施工して頂きました。
ニスモへ問い合わせした内容
R34GT-Rのドライカーボンボンネットの問い合わせは、ニスモのお客様相談室宛てにメールを送ってみました。質問は以下の3点です。
- 日頃の手入れは、何を行えばいいか。
- どのように手入れすれば、クリア塗装が長く維持できるか。
-
塗装面が痛む手入れの悪い事例(例:白化)。
クリア塗装は、日産ディーラーで施工している前提で質問をニスモへ送ってみました。
ニスモからの回答内容
質問メールを送付してから、3日後にニスモからR34GT-Rのカーボンボンネットの質問の回答がきました。回答は、以下の通りでした。
- WAXはかけない、コーティングは施工しない。
- 水洗いのみで、良く拭き取る。
- WAXは小まめにかけることはよくない。
-
直射日光の当たる場所に、長時間駐車することは良くない。
ニスモの回答をまとめると、3点がポイントになります。
- 水洗いのみ。
- WAXもコーティングもしない。
-
出来るだけ直射日光に当てない。
3番目の「直射日光に長時間当てない」という項目が、日常使いのR34にとっては一番実施しにくいですね。
R34GT-Rのカーボンボンネットを洗ってみた
私が、実際にR34GT-Rのニスモ製ドライカーボンボンネットを、ニスモの回答に沿って洗車してみましたので、方法を解説をします。
まずは、私の洗車条件は以下の2点で実施していました。
- 洗車頻度:2週間に1回
- 水:水道水
それほど特殊な条件で洗車している訳ではありません。
次に、洗車道具の方を紹介します。
品目 | メーカー名 | 品名 | 価格 |
洗車スポンジ | シュアラスター |
ウォッシンググローブ |
¥2,980(税込) |
拭き取り | シュアラスター |
水滴拭き取りクロス |
¥1,058(税込) |
粘土 | シュアラスター |
クリーナーソフト |
¥926(税込) |
道具に関しては、シュアラスターで統一しています。
カーボンボンネット以外は、もちろんシャンプーとWAXを使っています。
R34GT-Rのカーボンボンネットの洗車の手順
洗車の手順としては、以下の手順で進めています。
- ホイールハウス、ホイール
- カーボンボンネット以外のボディ
- カーボンボンネット
手順1と2については、シャンプーを使用して洗車し、拭き上げはせずにカーボンボンネットを水で洗車し、最後に粘土でボディ全てを鉄粉取りをしてから、拭き上げをしています。
また、なるべく直射日光に当てないのが、キーになっていますので、夏場の日中は洗車を避けて、夕方など日が陰ってきた頃に実施していました。
R34GT-Rのカーボンボンネットを洗車し続けた結果
ニスモの回答に沿って、ニスモ製R34GT-R用ドライカーボンボンネットを洗車をし続けた結果、肝心のクリア塗装は、何年綺麗だったかと言いますと、約10年も持ちました。
経過としては、9年経過したあたりからボンネットの冷却開口の縁からクリア塗装が浮き始めました。
その後、クリア塗装の浮きが全体に広がって、最後はクリア塗装を全て剥離せざるを得ない状況になりました。
幸いだったのが、ドライカーボンボンネット本体に変色は発生していない事でした。
クリア塗装の層は、総剥離してしまいましたが、再度クリア塗装すればおそらく元の綺麗なカーボン地の見栄えが戻ると思います。
私としては、約10年間クリア塗装したニスモ製R34GT-Rのドライカーボンボンネットを楽しめた、と言うのは十分だと感じました。
また、ニスモの回答に沿った洗車で、クリアの剥離は避けられませんでしたが、カーボンボンネットの変色が見る限り発生していない事も、重要なポイントだと思います。
R34GT-Rのカーボンボンネットを楽しむもう一つの提案
R34GT-R用のカーボンボンネットは、クリア塗装でカーボン地が見える見栄えを目指して、約10年クリア塗装が持ちました。一方で、クリアで塗らずにボディ色で塗ると言う選択もアリかと思います。
下の写真のドライカーボントランクは、クリア塗装前ですが、このあとフィッティング、クリア塗装して一時期装着してみました。
また、ボディ同色のQM1(日産ホワイト)で塗装した、ドライカーボントランクも一時期使っていました。
色を入れるだけで印象がかなり違います。色を入れたトランクは、シャンプーとWAXで仕上げていましたが、5年経過しても塗装の劣化はありませんでした。
カーボン部品をクリアなのか色を入れるのか、カスタマイズの方向性やデザインセンスにも繋がってきます。
まとめ
R34GT-Rのカーボンボンネットの美肌法はたった1つ!
- 水だけで洗う!
意外ですが、これだけで約10年クリア塗装が持ち、カーボンボンネットのカーボン地を楽しめました。
一方、クリア塗装しないパターンも視野に入れて、クリアでカーボン地を楽しむのか、色を乗せてボディとの統一感を出すのか、カスタマイズのセンスが問われますね。